埋もれない「ちょっといい」作品を書きたい[二次創作小説の書き方]
時は大二次創作時代。
「文字を書くこと」自体は特殊技能ではないので、投稿小説って数が多いですよね。
その中でちょっと背伸びして評価されたい!名前を覚えられたい!という人向けの話です。
キーワード:「差別化」
「ちょっといい」話を書くには、「他よりちょっとよくなる」必要がある。要は、差別化ですね。
私の考える二次創作小説の主要パラメータは3つ(重要度順)。
・萌え(エロ)
・ストーリー
・文章力
そして隠しパラメータ(最重要)が
・更新頻度
どれか一つでも抜きんでたら""""勝ち""""です。
確実に名前は覚えられるね!
では重要度順に解説です。
自分はどれが得意か? どれを伸ばせば差別化できるか、と考えてみてください。
・更新頻度
一ヶ月に三回あげたらもうすごい!
多少アラがあってもいいのです、立派な萌え農家さんです。いつもごちそうさまです!
速筆は何よりもストロング。時間があったら書け! とにかく書け! 読み返すのは最後でいい! 導入もオチもぶん投げて書きたいところだけ書いていい! 数で勝負だ! 思いついたら書け! 高級料理より野菜丸かじりだ!
注意点
ジャンルによりますが、もし文字数3000字以下なら支部へのアップはおすすめしません。よほど飢えてる方は別ですが、作品が増えるということは、支部の最新作品から他の作品が1つ下がることを意味します。検索効率も下がる。
注釈
タグをつけて一日に何個もイラストや小説作品をあげるのは迷惑行為とされています。それほどではないにしても、文字数が少なすぎるやつの連投は避けるべき。
3000字といえば早くて1時間強くらいで書けるので、イラスト換算だと1,2枚程度? 一刻も早く出したかったらツイッターで画像小説にするなりぷらいべったーであげるなりするのが昨今の定石なので、まとめとして支部を使う方も多い今は、数個まとめて短編集とするのが推奨です。ミュートユーザーにされたくなければ。
余談:支部にまとめるのにちょうどいい文字数とは?
結論:ジャンルによる。
主観的には、7000字以上35000字以下でしょうか。
それより少なければもっとまとめる、それより多ければ、シリーズにして分割してもいい。
特に五万字を超えるとかえって「時間がない」「集中力がいる」と閲覧を後回しにされる気がします。
・萌え
二次で問われるのは大体これですね。
これについては手っ取り早く得るなら「媚薬」「けも耳」「泥酔」「拘束プレイ」「オメガバース」「淫紋」「媚薬ロッカー」「セックスしないと出られない部屋」などの定番シチュにあてはめればオッケーですね。
定番は美味しいから定番だし、何度食べてもおいしいから定番なのです。方程式でオッケー! どんどんあてはめろ! 大衆食サイコー! 好きな食べ物はカレーとラーメン、ハンバーガー!
ただ、誰が書いても同じようになってしまうのが難点(差別化できない)なので、1ネタだけでも「ひねり」と加えられるとベネですね。(思いつかない場合はなくても全然構わないです。迷って足踏みするくらいなら書いて進んでみよう)
例1:オメガバースであえてベータとベータで書いてみる
例2:セックスしないと出られない部屋で、知恵と体術を駆使してセックスしないで出て、そのあと普通にセックスする
例3:淫紋かと思いきやタトゥーシールだった
例4:攻めを拘束して受けがたくさんエッチなことをする(意外と少ないので希少価値がある)
・エロ
あえて分離。
極論、他のパラメータがクソでも「エロがエロければ優勝」です!!
大抵のジャンルは、人気順に見てくとだいたいスケベまるだしなのが上に多いです。(大手ジャンルになると話は別で、人気上位はやっぱり何十万字もの神作が多い)たいていの原作にあるはずもなく、二次でもっとも求められるのはスケベです。カロリーの暴力! ヘルシーより次郎! デカ盛りパフェだ!
他はあっさりでもいいけど、とかくエロはねちっこく、五感をフルに使い、受け攻めどちらの快楽描写もマシマシだと""ストロング""ですね。
最近のブームはメスイキから潮吹き・結腸がきてるので、次はおもらしだと確信してます。
意外と地の文のほか、「喘ぎのエロさ」も直接的に下半身を揺さぶります。
ハート喘ぎは注意書きがないくらい、最近増えてきましたね。
知っている一次エロ書きさんの中には「ハート喘ぎはジェネレータでつくります」と公言している方もいます。
※みさくら語とか、原作から外れた口調(例:堅物系男キャラが女言葉)になるのは強烈に相手を選ぶのでビギナーにはおすすめしません。
・ストーリー
一朝一夕では難しい。けど、ある程度ブラッシュアップされたプロットさえあればそれなりに書けます。(くわしくはこの記事にまとめました)
しかしながら、手っ取り早く満足度をあげるポイントはいくつかあります。下記のどれかでも入っていると付加価値アップです。
付加価値からプロットをつくる、あるいは物足りない時にいれてみるなど、おすすめです。
・セックス
・戦闘描写(アクション)
・移動描写(旅行、あるいはスピーディな走行)
・適度に追い詰められる(肉体あるいは精神)
・告白、パートナーになるなど関係の進展
・問題解決、事態の好転
・ミステリー要素(謎の提示と判明)
・どんでん返し、予想が外れる(あえて別の方向に予想を誘導しておく)
・文章力
「手っ取り早く」は諦めろ! じっくりやるならプロの小説を一日一冊ずつ読むとか。
すぐできる方法としては、「小説作法・文章作法」は守りましょう。ググればすぐ出ます。
例として分かりやすい漫画を挙げますが、たとえば素人作の面白いかどうか分からない漫画って、どの程度「読む気」が湧きますか?
まずぱっと見で、絵が下手……なのはまだいいとしても、セリフが手書き、枠線はよれよれのフリーハンドでトーンもベタもない作品――読みますか?
もちろん、それが何万人も「面白い」と評価したものなら別ですが、普通はページをめくりもしませんよね。それが小説における作法です。
たとえば絵文字を使わないとか、三点リーダに中点を使わないとか、台詞内で原則改行は使わないとか、マイナーなのだと「!」の後には空白をいれるとか……。
基本の型を守る――ちょっと気をつけるだけでよくなるなら、やっといて損はない。
そういえば地の文に心情を書く場合に句点(。)が消失するパターンも希に見られますが(漫画の影響?)超熟練でもしていない限りおすすめしません。筆力あっても浮きます。
いま挙げていった4つのパラメータですが、全部兼ね備えているタイプはほぼいません。大抵、偏ってます。
文章力は少ないが更新速度とエロに特化しているタイプ、王道定番シチュを高い筆力でじっくり料理するタイプ、あるいは全年齢のみ遅筆だがストーリーが格段にすごいタイプなど、好きな作家を分類してみるのも面白いかもしれませんね。
弱みは最低限補強して、あとはどんどん強みをのばすのがいいと思います。